泡の中心で愛を叫ぶ男(1)
■第1泡
オフィスで鍵を渡された鍵で、部屋のドアを開ける。
ちょっと、タバコの臭い。換気のため窓をガラッと開けた、目にはラブホテルがそびえたっていた。向こう側の開いた窓には、掃除のおばさんがいた。目が合った....
ここは沖縄本島某所、ここ沖縄で、依頼された仕事のために私はマンスリーマンションを借りた。
マンションの入り口側は、小さな道を挟んで派手なネオンのお店が数多く点在するのだ。お兄さんたちがあちこちで呼び込みをしている....そう、ここは沖縄でも有名な「石鹸をたくさん消費して泡をつくり、その泡で巧みの技を駆使した女性たちが働く、高価銭湯の集まった場所」だった。
私は、そんな沖縄の泡の中心街・ど真ん中にそびえたつ、マンスリーマンションでこれからしばらく、滞在することになったのだ。
どうりで、本島一、安いマンスリーマンションだったわけだ...
そんなわけで、泡の中心で愛を叫ぶ男の物語がはじまった。
★お断り★
この物語は、あるフリーランサープログラマの実話を元に構成されているが、あくまでも、仕事で沖縄を訪れ、たまたま滞在先が非日常的な場所だったため、そのマンションの窓から見える風景を眺めた感想(多少想像もあり)を物語化したもので、けしてマンションの反対側の道を突き抜けて、高額銭湯体験記を語るものでもないし、仕事が忙しくてそんな騒ぎでもなし、
忙しくなくてもけしてそんな場所へはいきませんので....信じてください。(笑)